こんにちは。「はじめてのAI講座」第5回をお届けします。
前回は「PoC(お試し導入)」についてご説明しました。
今回は、製造業やインフラ業界でも注目が集まる「画像認識AI」について、外観検査などの具体的な活用事例を交えながら、やさしく解説します。
画像認識AIとは、カメラやセンサーで取得した画像データをAIが解析し、
「そこに何が写っているか」を判断する技術のことです。
たとえば:
など、様々な場面で活用されます。
画像認識とは、コンピュータが画像から意味を読み取る技術のことです。
人間の「視覚」に相当する役割を担います。
従来は、SIFTやHOGといった特徴量を手作業で抽出し、SVMなどの機械学習で分類する「古典的手法」が使われていました。
しかし、現在の主流はディープラーニング(深層学習)、特にCNN(畳み込みニューラルネットワーク)です。
CNNは画像内のエッジ、形、色などの特徴を階層的に自動で学習するため、高精度かつ汎用性のある認識が可能になります。
ただし、AIの認識精度は学習データの質やバランスに大きく左右されるため、「すべての判断を自動化できる」と考えるのは早計です。
画像認識AIがもっとも活用されている分野のひとつが、製品の外観検査です。
たとえば以下のような分野で活用されています。
人の目による目視検査 | 画像認識AIによる検査 |
疲れや見落としがある | 常に一定の精度で検査可能 |
熟年者のスキルに依存 | 初心者でも ある程度精度の高い検査が行える |
速度に限界がある | 高速なラインにも対応可能 |
画像認識AIは、多くの業界で導入が進みつつあり、以下の理由で注目されています。
従来のルールベースでは難しかった判断も、AIが特徴を自動で学習することで、高精度な検出が可能です。
少子高齢化による検査員不足が深刻な課題です。
ベテランの検査員が年々高齢化し、人員も不足する中で、その熟練された技術をAIに学習させ、導入することで、現場の負担が軽減されます。
AIによる検査はデジタル記録が残るため、品質トレーサビリティの確保や改善にも活用できます。
検査ミスが多い/製品ごとの検査品質がばらつく/ベテラン検査員が退職予定
など、現場で「何に困っているか」を洗い出しましょう。
検査対象製品の画像を大量に撮影します。「良品」「不良品」の両方が必要です。画像にラベル(正解情報)をつけることでAIが学習できるようになります。
収集した画像をもとにAIモデルを作成し、特徴を学習させます。
実際の現場で試験運用を行い、精度・処理速度・運用のしやすさを評価します。
PoCについての説明は第4回で行っているので、ぜひご覧ください。
PoCで効果が確認できたら、システムを本格導入します。精度維持のためには、定期的なモデル再学習や運用改善が必要です。
画像認識AIは、「人の目の代わり」として、すでに多くの現場で活躍を始めています。
特に外観検査の分野では、品質向上・人手不足対策・記録の自動化など、多くのメリットが見込めます。
「AIって難しそう…」と思われがちですが、導入は一歩ずつ進めることで実現可能です。
PoC(お試し導入)や、AI専門家のサポートを活用しながら、着実に導入を進めていきましょう。
私たちサイエンスパーク株式会社では、画像認識AIの導入支援やPoC設計のご相談を随時受け付けています。
という方は、ぜひ「AIなんでも相談室」からお気軽にお問い合わせください!
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