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基本からデバッグまで

基本05 ドライバのインストールとアンインストール

デバイスドライバをはじめ、デバイスにかかわるお困りごとの際はお気軽にお問い合わせください。


本講座では、前回の講座でビルドしたドライバをインストールおよびアンインストールする方法について解説します。

ドライバをインストールする際には、ドライバ署名が必要です。特に、 テスト署名されたドライバを使用する場合は、OSをテストモードで起動する必要があります。本講座では、その手順についてもあわせて説明します。

※署名の詳細については、以下の記事をご参照ください。
Windowsドライバ署名について:初心者向けガイド - サイエンスパーク株式会社

 

1.ドライバの用意

今回はWindows Kitsに含まれている devcon.exeを使用して、基本04 サンプルのビルドの講座で作成したドライバをインストールします。

①  署名の確認

まず、以下のファイルにデジタル署名が付与されているかを確認します。

・システムファイル(.sysファイル)
カタログファイル(.catファイル)

これらのファイルのプロパティを開き、下記画像のように署名情報が表示されていることを確認してください。

image-png-4図1:.sysファイルのデジタル署名

 カタログファイルは、ドライバの信頼性と整合性を保証するために使用されます。このファイルは、ドライバのデジタル署名が含まれており、ドライバが改ざんされていないことを確認するために付与されます。

②  作成したファイルをまとめる

ドライバのインストールに必要なファイルを、一つのフォルダにまとめます。
以下のファイルを対象としてください。

・システムファイル(.sysファイル)
・設定ファイル(.infファイル)
カタログファイル.catファイル)

これらは通常、AutoSync \x64\Debug\echoフォルダ内にあります。任意の場所に新しいフォルダを作成し、これらのファイルを コピーしてください。

図2:作成したファイル

③  devcon.exeを②のフォルダに追加する

C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10\Tools\<バージョン>\x64
配下のdevcon.exeをコピーして②のフォルダに追加します。
※Windows Kitsのバージョンはインストールされている最新版で構いません。


3devcon.exeファイル

④  install.batファイルを作成し、②のフォルダに追加する

以下を記述したinstall.batファイルを作成し、②のフォルダに追加します。

pushd %~dp0
devcon install echo.inf root\echo
pause

バッチファイルは、テキストファイルであるため、メモ帳などで作成することができます。内容を記述したら、「名前を付けて保存」で拡張子を「.bat」に変更して保存してください。
以上で、ドライバのインストールのためのフォルダの準備ができました。

 

2.ドライバのインストール

ドライバの種類によっては、OSが起動しなくなる、PCが突然シャットダウンするなど、致命的な問題が発生する可能性があります。そのため、ドライバのテストは、開発用PCではなく、別のPCや仮想環境で行うことが一般的です。 

ドライバのインストールおよびテストには、仮想環境の使用を推奨します。仮想環境には以下のような選択肢があります。

Hyper-V
VirtualBox
VMware

※仮想環境の構築方法については、本講座では割愛します。下記記事を参考にしてください。

【Windows11】Hyper-V上でWindows11をインストールHyper-Vのインストール手順)
Windows 11 Home/ProをMicrosoftアカウントではなくローカルアカウントで設定する裏技:Tech TIPS - @IT(仮想環境でローカルアカウントを使いたい方向け)

 インストールを行うPCの準備ができたら、テストモードを有効にします。これは、テスト署名されたドライバをインストールするために必要な手順です。

テストモードの有効化

①  コマンドプロンプトを管理者権限で起動します。

②  次のコマンドを入力し、Enterキーを押します。

 bcdedit /set testsigning on

④  PCを再起動します。

再起動後、画面の右下に「テストモード」というウォーターマークが表示されていれば、テストモードが正しく有効になっています。

 

report05-04図4:テストモード表示

ドライバのインストール

①  事前に用意した1-のフォルダPCに配置します。

②  batを管理者権限で実行します

③  下記のようなポップアップ画面が表示されるので、インストールを選択して実行します。

5:ドライバインストール時のポップアップ画面

以上で、ドライバのインストールは完了です。

 

3.デバイスマネージャーの起動方法

①  Windows + Rを押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開きます。

②  入力ボックスに「msc」と入力してEnterを押します。

これでデバイスマネージャーが開きます。

デバイスマネージャーが開いたら、「Sample Device」というタブを探してください。ドライバが正しくインストールされていれば、その中にインストールしたドライバのデバイスが表示されます。表示されない場合は、デバイスマネージャーの「表示」メニューから「非表示のデバイスの表示」を選択してみてください。

 

デバイスマネージャーが開いたら、「Sample Device」というタブを探してください。ドライバが正しくインストールされていれば、その中にインストールしたドライバのデバイスが表示されます。表示されない場合は、デバイスマネージャーの「表示」メニューから「非表示のデバイスの表示」を選択してみてください。

図6:デバイスマネージャー画面

 

4.ドライバのアンインストール方法

不要になったドライバは、以下の手順でアンインストールできます。

①  デバイスマネージャーを開きます。
②  アンインストールしたいデバイスを見つけます。
③  デバイスを右クリックし、「デバイスのアンインストール」を選択します。
④「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除しようとしました。」にチェックを入れ、「アンインストール」をクリックします。
 

※複数のデバイスが同じドライバを使用している場合は、最後の一つを削除する際にチェックを入れるようにしてください。

図7:アインストール画面

以上で、ドライバのアンインストールは完了です。

 

5.テストモードの無効化

ドライバのインストールやテストが完了したら、テストモードを無効化して、システムを通常の状態に戻しましょう。

①  コマンドプロンプトを管理者権限で起動します。

②  以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。

 bcdedit /set testsigning off

③  PCを再起動します。

再起動後、画面右下に表示されていた「テストモード」のウォーターマークが消えていれば、無効化は完了です。