Box Shieldの概要

　Box Shieldは、Boxが提供するコンテンツセキュリティのオプションです。Boxの強力なコンテンツ管理機能を補強し、個人識別情報や特定用語、ファイルタイプに基づいてコンテンツを自動的に分類する能力を持ちます。Box Shieldは、これらの機能を駆使して悪意のある行動を検知し、貴重なコンテンツを漏洩や不正アクセスから守ります。
　Box ShieldはEnterprise以上のエディションで利用可能で、主に大規模な企業を対象としています。

Box Shieldの機能と利点

　Box Shieldの特長はその多様性と強力なセキュリティ機能です。その機能の詳細をご紹介します。

1. コンテンツの分類

　Box Shieldでは、組織のニーズに合わせてセキュリティ分類ラベルを定義し、管理することができます。個人識別情報、特定の用語、ファイルタイプなどに基づいて新規または既存のコンテンツを自動的に分類します。
　これにより、大規模な運用でも、手作業での分類に頼ることなく、コンテンツ管理を容易に行うことができます。

2. 分類ベースのアクセス制御

　Box Shieldの分類機能を用いると、Box専用のアプリケーションだけでなく、さまざまなサードパーティアプリケーションからのコンテンツへのアクセスも制御することが可能です。
　管理者は監視のみのモード、または強制モードを選択でき、コンテンツへのアクセスをより細かく管理できます。

3. ディープランニングを活用したマルウェア検知

　Box Shieldは、コンテンツに対する巧妙なマルウェアによる攻撃を検出します。ディープランニングを活用することで、一般的なマルウェア検出技術では検出が難しい新型のマルウェアも検出可能です。ユーザーは安全にコンテンツをプレビューすることができ、システムは自動的にマルウェアのダウンロードを制限します。

4. オンラインエディタにおけるセキュリティ

　Microsoft Office Onlineなどのオンラインエディタでのダウンロードや印刷に対してもセキュリティ制限できます。この制限により、誤って重要な文書をダウンロードまたは印刷してしまうといった人為的なミスからデータを保護します。

5. 異常の検知

　ユーザーの行動パターンを機械学習アルゴリズムを使用して学習します。これにより、アカウントが侵害されたり、データが漏洩する可能性を示す異常な行動を早期に検知し、対策を講じることが可能になります。

6. サードパーティの分類情報のインポート

　Box Shieldでは、ファイルをアップロードする際に、Microsoft Information Protection (MIP) の秘密度ラベルをBoxの分類情報として自動的にインポートします。この連携により、すでに分類されている情報をBox上でもそのまま活用することができ、再分類の手間を省くことができます。

7. 1回限りの例外処理

　管理者が業務上の正当な理由がある場合、任意のユーザーに対して1回限りのアクセス制限の例外を許可することが可能です。これにより、特定の状況下での業務効率を維持しながら、セキュリティポリシーの一貫性を確保できます。

8. コンテキストリッチなアラート

　Box Shieldのアラートは、特定のコンテンツやユーザーのコンテキスト情報を提供します。これにより、不審な行動やリスクが存在する場合に、迅速で効果的な対応を行うことが可能です。これらのアラートはリアルタイムで送信されるため、すぐに行動を起こすことができます。
　Box Shieldを採用する主なメリットは、内部犯行やヒューマンエラーによる情報漏洩リスク、ランサムウェアの脅威を最小限に抑えることができる点です。これにより、IT部門の負担を大幅に軽減し、企業全体の運用効率を高めることが可能です。

Box Shieldと他のセキュリティソリューションの比較

　Box Shieldは、特に「スマートアクセス」と「脅威検知」という二つの主要機能を備えている点で他のセキュリティソリューションと差別化しています。

　「スマートアクセス」は、Box Shieldの強力なコンテンツ分類機能により、コンテンツの機密性を具体的に分類し、それぞれの分類に対応したアクセスポリシーを適用する機能です。
　これにより、より精密なアクセス制御を行うことが可能となり、データ漏洩のリスクを大幅に減らすことができます。

　一方、「脅威検知」は、ユーザーの行動をリアルタイムで監視し、異常な行動や悪意のある可能性のある操作を速やかに検出する機能です。この機能により、セキュリティ脅威を早期に察知し、適切な対応を行うことができます。

　これらの機能により、Box Shieldは他の同様のセキュリティソリューションと比較して、一貫したアクセスポリシーの適用と迅速な脅威検出という二つの強力な機能を持つことで、全体的なセキュリティレベルを大幅に向上させることができます。

最後に

　BoxのオプションであるBox Shieldは、企業のコンテンツ管理を強化し、セキュリティリスクを最小化するパワフルなツールです。
　その多様な機能は、企業のIT部門の負担を軽減し、コンテンツを強力に守ります。Box Shieldを活用することで、企業は自身のビジネスをより安全に、より効率的に運営することが可能となります。