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Box(クラウドコンテンツ管理ソリューション)

【法人向け比較】主要クラウドストレージサービスの違い

「クラウドストレージサービスって何が違うの?!」

といった声をよく聞きます。

主要なクラウドストレージサービスはMicrosoftの「OneDrive/SharePoint」やGoogleが提供している「Google Drive」、「Box」や「DropBox」が有名なところですが、これらのサービスにはどういった違いがあるのでしょうか。

今回は、多くの企業や団体で利用が広がっているクラウドストレージサービス(クラウドストレージ)について、独自の観点から比較した内容をご紹介いたします。

なお、各サービスとも法人向けのプランで比較しています。

社内のクラウドストレージ導入ご担当者様の参考になりましたら幸いです。

※あくまでもこちらの内容は、弊社独自の観点となりますので、クラウドストレージを採用する際の仕様確認などは、各社へ行っていただけますようお願い申し上げます。

目次

1.クラウドストレージ比較のポイント
2.【機能比較表】主要クラウドストレージの違い
3.各クラウドストレージの特徴
 3.1 Box
 3.2 OneDrive/SharePoint
 3.3 Google Drive
 3.4 DropBox
4.どのクラウドストレージサービスがおすすめか?
5.【おわりに】お問い合わせ・関連リンク

1.クラウドストレージ比較のポイント

比較を行う前に、クラウドストレージを選ぶ際のポイントについて触れておきます。

・1ユーザーあたりの容量
・ファイルアップロードの制限容量
・ファイル共有の機能性・利便性
・ファイルのバージョン管理(世代管理)
・セキュリティ対策

・1ユーザーあたりの容量
プランによっては1ユーザーあたり、どれくらいの容量をクラウド上にアップ可能か変わってきます。
自社の想定する用途に合わせて必要なプラン・容量を適切に検討しましょう。

・ファイルアップロードの制限容量
各サービス毎に、一度(一日)にアップ可能なファイル容量に制限が設けられている場合もあります。
数GB~数百GBであることが多いので、問題になることは少ないかと思われますが、こちらも上記同様にしっかり確認・検討する必要があります。

・ファイル共有の機能性・利便性
ファイル共有が簡単に行える点も、クラウドストレージの大きなメリットの一つです。
しかしながら、「どういった方法で共有可能か」、「適切な権限で共有・制限等の管理ができるか」といった部分は、各サービスで違ってきます。
自社の想定する運用ができるか否か、こちらも事前の確認が重要です。

・ファイルのバージョン管理(世代管理)
「複数名でファイルを共有・編集する」というクラウドストレージの特性上、ファイルのバージョン管理機能は大変重要なものとなっています。
「ファイルがいつ編集されたか」、「誰が・どこを編集したか」といった管理ができるかどうか、意図せず編集してしまった際には前のバージョンに戻せるか等、しっかり確認しましょう。

・セキュリティ対策
社内の重要情報が含まれたファイルをアップする以上、クラウドストレージのセキュリティは非常に重要な部分です。
とは言え「情報漏えいのリスクが少ないサービスかどうか」といった判断は、なかなか難しいのが実情です。

そこでオススメなのが、対象のクラウドストレージが「ISMAP」に登録済か否かの確認です。

「ISMAP」とは、政府のクラウドサービス認定制度「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度」のことで、登録されたサービスは政府調達の対象になるなど、セキュリティ面で一定の評価を受けていることを証明するものです。

導入検討の判断材料としてご活用ください。

2. 【機能比較表】主要クラウドストレージの違い

主要なクラウドストレージについて法人プランをベースに機能比較すると、以下表の通りになります。

すべての機能を比較しているのではなく、弊社独自の視点からの違いとなりますので、ご留意いただけますと幸いです。

項目BoxOneDrive/SharePointGoogle DriveDropBox
1ユーザーあたりの容量無制限1TB
(+契約ライセンス数×10GB)※MAX 25TB
30GB~5TB2TB~
ユーザー数次第で変更
ファイルアップロードの制限5GB~150GB250GB2TB(1日750GBまでがアップロードの上限)2TB未満(ブラウザからの場合50GB未満)
相手とのファイル共有方法・共有リンク
・コラボレーション
 7種類のアクセス権限
・共有リンク・共有リンク・共有リンク
※DropBox Transferで大容量や複数ファイルを一括共有可能
ファイルのバージョン(世代)管理有り有り有り有り
ISMAP*登録状況(2023年7月時点)登録済登録済登録済登録済
特徴容量無制限で、法人向けに特化したクラウドストレージ。ファイルの共有方法も共有リンクだけではなく、コラボレーション機能を提供しており、7種類の権限から共有相手に必要な権限で共有可能。TeamsやOffice関連などと連携が強く、Microsoft 365を契約することでOneDrive/SharePointも利用できる。SharePointでは、サイト構築が可能が可能性であるため、自社専用のサイトを構築可能。大容量のファイルをアップロードすることが可能であり。Googleのビジネスツールが利用できる。Gmailなどで業務を行っている場合には、連携運用が可能。デスクトップアプリケーションでのファイル操作を得意としており、デスクトップアプリケーションからならば大容量ファイルのアップロードも可能。ブラウザでのファイル操作も可能。
*ISMAP(Information system Security Management and Assessment Program)とは、政府が活用するクラウドサービスのセキュリティを評価する制度のこと

さすがに主要なクラウドストレージサービスというだけあって、容量・共有機能やセキュリティの面では「どれも一定以上」といったところです。

続いて、各種サービスの特徴についてもう少し掘り下げて書いてまいります。

3. 各クラウドストレージの特徴

3.1 Box

Boxの特徴は、下記の通りです。
 ・法人向けサービスとして開発
 ・容量無制限
 ・ファイルの共有方法が共有リンクだけではなく、コラボレーションでの双方向のファイル共有が可能
 ・情報漏えいに関してのオプション機能などが豊富
 ・多くの製品、サービスとの連携 ※Microsoft 365とも連携

Boxは、法人向けサービスとして開発されたクラウドストレージです。そのため、社外と共有するところまで考慮された機能が充実しています。

ファイルを一方方向で共有するのではなく、双方向で同じ領域(フォルダ)を共有することで、双方向でのファイル共有を実現しています。

また、標準のものでもBox内に保存されているファイルの暗号化やサーバールームへの入退出管理が徹底されているだけではなく、ランサムウェアやマルウェアに対してのセキュリティ機能の提供までもおこなっています。

他社の製品、サービスとの連携も豊富であるため、すでに会社で導入されているツールとの連携も可能。Microsoft 365との連携利用も可能であり、多くの機能で併用されています。

※インターネット上のBoxとローカルストレージ上のフォルダを同期するツール「BoxDrive」もBox社から提供されています。

3.2 OneDrive/SharePoint

OneDrive/SharePointの特徴は、下記の通りです。
 ・Micosoft社が提供しているサービス(Officeなど)との連携が可能
 ・Microsoft 365を契約することで利用する可能
 ・容量は、基本は1TB
 ・SharePointでは、プロジェクト毎に専用のポートサイトを構築可能

OneDrive/SharePointについては、Microsoft 365を契約することで、利用できるサービスです。OneDriveは個人用であり、SharePointは組織内で共有するための領域として利用するケースが多いです。

Microsoft社が提供しているサービスであるため、Office(Word、Excel、PowerPointなど)との連携が可能です。

最も特徴的なのは、SharePointでポータルサイトが構築できる点です。

社内のお知らせや各プロジェクト用にSharePointを準備し、そこに専用サイトを構築することで各プロジェクトに応じた専用の画面を構築することができます。

※OneDrive/SharePointは、ローカルストレージに同期フォルダを作成することも可能です。

3.3 Google Drive

Google Driveの特徴は、下記の通りです。
 ・ファイルアップロード制限が2TBとほぼ制限がない
 ・GmailなどGoogle社が提供しているサービスとの連携
 ・Google独自のビジネスツール(ドキュメント、スプレッドシート、スライド)の利用が可能

Google社が提供しているサービスであり、ファイルのアップロード制限が2TBとほぼ制限がない状態です。

しかし、1日750GB(合計)までしかファイルのアップロードができないという制限も存在しているため、ファイルをアップロードする際にはファイルサイズには注意が必要です。

Google社が提供しているサービスであるため、ブラウザ上でGoogleドキュメントなどを作成できる点は、PCにアプリケーションをインストールする必要がないためPC環境を準備する負担を軽減することができます。

3.4 DropBox

DropBoxの特徴は、下記の通りです。
 ・専用のデスクトップアプリケーションでの操作が基本
 ・デスクトップアプリケーションからの操作であるため、ログインが操作が不要
 ・ファイルを保存することで複数のデバイスで自動同期

DropBoxは、他のクラウドストレージとは異なり、専用のデスクトップアプリケーションからの操作を基本としています。

※もちろん、ブラウザからのファイル操作も可能です。

そのため、ブラウザでのログイン操作などの手間が少なく、PC起動後にデスクトップのDropBoxアイコンからすぐにアクセス、ファイル操作が可能となります。

また、1人のユーザーが複数の端末を利用している際には、端末起動時にデータの同期が自動で行われるため、別端末で行ったファイル操作がすぐに反映されます。

ちなみに、Dropboxは2024年4月30日にISMAP登録されました。

以前はDropboxのみ未登録で、他サービスと比較しセキュリティ面で不利となっていましたが、今回の登録でそれぞれ並んだ形となります。


4.どのクラウドストレージサービスがおすすめか?

ご紹介しました主要なクラウドストレージサービスは、いずれも一定上の評価を受けているものなので、「どれを選んでも安心」と言えます。

その中でも、ここまでの比較を踏まえて「どんな方にどのサービスがおすすめか?」といった点について触れていきたいと思います。

Boxがおすすめの方

・細かな権限でファイル共有や管理を行いたい
・容量無制限でストレージを利用したい
・セキュリティが強固なサービスを選びたい

Boxでは7つの権限設定が可能なため、他サービスと比較して適切な範囲・権限でのファイル共有が行いやすいです。

また、ストレージ容量が無制限な点もメリットです。

容量を気にせず利用できるため、容量追加に伴うコスト増大や他サービスの追加・乗り換え検討が不要になる点は、Boxの大きな強みと言えます。

加えて、前述の通りファイルの暗号化・サーバールームへの入退出管理が徹底されている他、ランサムウェアやマルウェアに対してのセキュリティ機能の提供といった、情報漏えい対策の面で優れているのもポイントです。

OneDrive/SharePointがおすすめの方

・TeamsやOffice(Word、Excel、PowerPointなど)を中心に使用している
・社内ポータルサイトとしても活用したい(SharePoint)

Microsoftのサービスとの連携が充実しているため、TeamsやOfficeを活用している会社の場合、他サービス以上の業務効率化が期待できます。

また、SharePointでは社内ポータルサイトの構築が可能なため、掲示板的な活用やスケジュール管理、ワークフローの設定ができる点も魅力です。

GoogleDriveがおすすめの方

・Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドを主に使用している
・Googleアカウントで一元管理したい

GoogleDrive上で作成・編集可能なGoogleドキュメント等を既に活用している方は、導入・運用がスムーズに行えるはずです。

また、管理や権限付与の単位はGoogleアカウントとなるため、会社の方針として「Googleアカウントで管理したい」といった意向がある場合、自然と選択されるサービスとなっています。

Dropboxがおすすめの方

・コストパフォーマンスを重視したい
・ファイルの復元機能を活用したい

ファイルストレージとして比較的シンプルな機能であるDropboxは、コストパフォーマンスの面で導入しやすいサービスとなっています。

また、「Business Plus」のプランでは最大で1年以内に削除されたファイルの復元が可能であるなど、誤操作でファイルを消してしまった際のリカバリーがしやすい点が強みです。

5.【おわりに】お問い合わせ・関連リンク

今回は4つの主要クラウドストレージを比較いたしました。

いずれも一定以上の機能を有している優良なサービスですので、どれを選んでも安心ですが、自社の状況・想定する運用にマッチするかどうかが重要です。

この記事がクラウドストレージの導入時の参考になれば幸いです。

最後になりますが、弊社サイエンスパーク株式会社は「Box」の代理店です。

Box認定資格を有した当社営業スタッフが最新の情報に基づき皆様の導入検討をお手伝いしております。

Microsoft365製品(OneDriveやSharePoint)など主要クラウドストレージとの比較や、導入体制に関するお悩み相談・導入支援、より強固なセキュリティ対策の実施も承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。