今日のビジネス環境において、データの移行作業で多くの企業の方々が苦労されているのではないでしょうか。企業が成長し、変化する中で、最適なデータ移行ツールの選定を行うことはIT担当者の負担になっているかと思います。
今回、Boxへデータを移行する際に利用できるデータ移行ツールBox ShuttleとDMB(Data Migration Box)を比較します。
それぞれの特長や機能に焦点を当て、どちらのツールが皆様にとってよいのか参考にしていただけますと幸いです。
また、データ移行を行う際の補足情報も記載しています。併せてご確認ください。
目次
1. 基本比較
項目 | Box Shuttle | DMB(Data Migration Box) |
提供 | Box社 | ジャングル社 |
データ容量 | 最大10TBまで無料で移行可能 | 無制限のデータ容量(年額215,600円) |
セキュリティ対策 | Boxのセキュリティを継承し、セキュリティを保持 | – |
権限管理 | ソースシステムとBoxの両方の権限管理が可能 | – |
移行の柔軟性 | 一括移行または段階的移行 | フィルタリング機能による属性ごとの移行や スケジュール機能による自動移行が可能 |
2. Box Shuttleの特長
2.1 最大10TBまでの無料
Box Shuttleでは、初めてのデータ移行プロジェクトでも最大10TBまで無料で利用できます。これは、特にコストを抑えたい小規模企業やスタートアップにとって非常に魅力的だといえます。
2.2 強固なセキュリティ対策
データ移行中でもBoxのセキュリティが継承され、情報漏洩リスクを最小限に抑えることが可能です。機密情報を扱うデータ移行には特に重要な機能と言えます。
2.3 柔軟な移行オプション
Box Shuttleは一括移行から段階的移行まで、ニーズに合わせた移行を提供します。権限の競合も自動で解決するため、移行プロセスがスムーズに進行できます。
2.4 業務継続性
移行作業はバックグラウンドで行われるため、重要な業務を停止することなく進めることが可能です。これは、ビジネスの進行を阻害しないためにも重要な要素です。
3. DMB(Data Migration Box)の特長
3.1 無制限のデータ容量
年額215,600円で利用できるDMBは、データ移行対象の容量は無制限です。そのため、大規模なデータ移行に最適であり、大企業やデータ集約型のビジネスにとって非常に助かります。
3.2 高度なフィルタリング機能
移行したいファイルだけを緻密に選び、移行作業を効率化できます。日付や容量などの属性でフィルタリングできるため、作業時間の削減が可能です。
3.3 同期機能
ローカルとクラウドの完全同期が可能で、データの整合性を保ちます。三つの同期モード(ミラー、更新、双方向)があるため、様々なシーンで利用できます。
3.4 スケジュール機能と帯域制御
移行時間や帯域をコントロールし、移行プロジェクトを計画的に実施します。日中の業務時間帯は、データ移行に利用する帯域をDMBで絞り、深夜や休日など業務時間外に
帯域を拡大することをスケジュールで実行することが可能。大量のデータでも、業務に影響を与えずに効率的に移行できます。
4. 補足情報
データ移行を行う際、Boxのフォルダ構成などの設計を行うことおよびデータ移行対象のデータの整理整頓をオススメいたします。
フォルダ構成などの設計は、データ移行を行う際に、どのデータをBoxのどのフォルダに保存するのかを決めておくことでスムーズに作業を行うことが可能となります。
ファイルサーバーと同じ構成でデータ移行をそのまま行うと、ファイルサーバーとBoxではアクセス権限の考え方がことなるため、注意が必要です。
データの整理整理では、Boxへファイルをアップロードする際、Boxへアップロードできないファイル名や1ファイルあたりのアップロード制限が存在します。
そのため、データ移行を行う前にBoxにアップロードできないファイルはないのかチェック&対策を行うことが非常に重要となります。
この対策をしていないとデータ移行を行った際にエラーへの対応を都度行う必要があるため、対応に苦労するケースがあります。
5. まとめ
Box ShuttleとDMBは、それぞれ異なる特長を持っています。無料で始められるBox Shuttleは初心者にも取り組みやすいでしょう。一方、DMBは高度な機能を提供し、大規模なデータ移行に適しています。
データ移行ツールは企業の成長と変化に応じた重要な選択肢です。Box ShuttleとDMBの適切な理解と、自社のニーズに基づいた選定は、データ移行プロジェクトを成功へと導きます。
本記事が、皆様の業務に少しでも役立つ参考になれば幸いです。