自社にBoxを導入する場合、割り当てられたテナントに対して、管理者が各種設定をしていく必要があります。
今回は、これからBoxを導入するために必要な知識として、テナントの概念や管理者ができること・注意点について説明していきます。
目次
・Boxにおける「テナント」とは
・エンタープライズIDとは
・テナント管理者とは
・テナント管理者が出来ること
・Boxフリーアカウントと自社テナントへの取り込みについて
・【注意】テナント管理者のメールアドレスについて
・【おわりに】お問い合わせ・関連リンク
Boxにおける「テナント」とは
テナントとは、一般的にオフィスビルや商業ビルと賃貸契約して入居する事務所や店舗のことを指す言葉ですが、Boxにおいては「導入時に作成される、コンテンツ管理の枠組」といったイメージになります。
他の代表的なクラウドサービスで言えば、AWSにおける「サイト」やAzureにおける「アカウント」に相当するものです。
Boxを契約・導入すると、新しい自社テナントが1つ作成され、そのテナントの中で各種設定やフォルダ・ファイル等のコンテンツを管理することになります。
エンタープライズIDとは
BoxのエンタープライズID(略称:EID)とは、テナントを一意に識別するための情報です。
Box全体のクラウド上には自社テナントだけでなく他社のテナントも存在していますが、このエンタープライズIDで識別されており、各テナントが混同されることはありません。
エンタープライズIDは、管理コンソールの「アカウントと請求」から確認する事ができ、無料オプションの申請や、Boxのサポートを受ける際に必要になります。
テナント管理者とは
自社テナントの管理を行うアカウントを「テナント管理者」と呼びます。
1つのテナントに対して、テナント管理者も必ず1つ設定する必要があります。逆に、複数のアカウントをテナント管理者に設定することはできません。
テナント管理者はテナントに対する各種設定や、テナントへのユーザー追加といった操作をすることができ、オンプレミスサーバーにおけるadministratorと同じような管理権限を持っています。
「他のユーザーにも管理の権限を付与したい」といった場合には、「共同管理者」を設定します。
共同管理者は付与された権限に応じて、テナント管理者とほぼ同じ操作を実行することができます。
テナント管理者のみで対応することが難しい場合や、複数名でテナントを管理したい場合は、共同管理者の機能を活用しましょう。
テナント管理者が出来ること
Boxのテナント管理者は、Boxの管理コンソール上でさまざまな操作を行うことができます。
管理コンソールは、Boxの「Business Starter」以上のすべてのプランで利用可能です。
管理コンソールでテナント管理者が行うことができる操作には、次のようなものがあります。
・管理者の変更
・管理対象ユーザーの作成
・ユーザーアクセス権限の編集
・ユーザーに共同管理者のアクセス権限の付与
・関連する権限の一部制限
・ユーザーのドメイン管理
管理コンソール上で表示される機能はプランや追加の有料アドオン、共同管理者の場合は権限などによって異なります。
例えば、Box Shieldは「Enterprise」以上のエディションで利用可能となっています。
自社の要件・必要な機能に応じ、適切なプラン・アドオンを利用しましょう。
管理コンソール上で押さえるべき設定については、以下のBox Supportのページが参考になりますので、ぜひご覧ください。
まずはここだけおさえよう! 管理コンソールの設定項目 | Box Support
Boxフリーアカウントと自社テナントへの取り込みについて
Boxは企業としてのみでなく、個人でフリーアカウントを利用することもできます。
Boxのテナントは、既存のフリーアカウントを自社テナント内に取り込むことも可能となっており、そうすることで管理の一元化・セキュリティ面でのメリットがあります。
企業としてのBox導入前にフリーアカウントを利用している場合、自社テナントへの取り込みをご検討ください。
メリットや実際に取り込む方法については、以下のページをご参考ください。
【注意】テナント管理者のメールアドレスについて
テナント管理者のメールアドレス宛には、Box社からのお知らせやウィルススキャンで検知された通知メールが届きますが、テナント管理者のメールアドレスは、「人(従業員)に紐づかないメールアドレス」を使用することを推奨しています。
例えば、
box-admin@xxxxx.co.jp
など、部署やチームなどのメーリングリスト的なメールアドレスを設定すると良いです。
理由としては、個人アドレスを設定してしまった場合、以下のようなリスクが発生するためです。
・管理者の退職時、管理者権限移管やコンテンツ所有者移管作業が発生し、業務が滞る可能性がある
・管理者が長期休暇や欠勤で不在になった際、テナント上での変更作業やBox社からの通知メールに誰も気づかず、数日過ぎてからの対応になってしまう恐れがある
上記のような点から、Boxテナント管理者のメールアドレスは複数名が受信・閲覧できるものに設定ください。
※テナント管理者のメールアドレスは後から変更する事が可能です。
【おわりに】お問い合わせ・関連リンク
今回は、テナントの概念や管理者について説明しました。
Box運用時は、テナント、という単位でコンテンツを管理してくことになり、必要な知識となりますので、ぜひ覚えておきましょう。
最後になりますが、弊社サイエンスパーク株式会社は「Box」の代理店です。
Box認定資格を有した当社営業スタッフが最新の情報に基づき皆様の導入検討をお手伝いしております。
Microsoft365製品(OneDriveやSharePoint)との比較や、導入体制に関するお悩み相談・導入支援、より強固なセキュリティ対策の実施も承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。