Boxを使えば電帳法対応も安心!~後編~
目次
今回は、前回の記事でご紹介しました「Box × 電帳法」の後編の記事となります。
今回は、前編でご紹介したチェックポイントとBoxの機能で電帳法に対応する際、運用の手間をかけないで済むカスタマイズに関してご紹介します。
※ 前編のBoxで電帳法対応する際のチェックポイントとBoxで電帳法対応するために有効な機能をご確認したい方は、下記URLから記事をご確認ください。
運用に対応したカスタマイズ
Boxなら電子帳簿保存法の3大要件(真正性・可視性・保存性)を満たすことができると紹介しましたが、どのフォルダにどの資料を入れ、ファイル名はどのように付けるのか等、細かい運用ルールを定めなければ検索性が乏しくなり有効に活用することが難しくなります。
また運用ルールを定めた場合は従業員への教育とルールが守られているか管理する担当者が必要になり、管理業務の負荷が膨れ上がってしまうでしょう。
そこで活用したいのが Box Platformで提供しているBox APIです。
人手に頼る作業をプログラムに置き換えて自動化することで、法令順守と運用コスト削減を同時に実現できます。
Box APIによる対応
※ 運用時に関する内容に焦点を当て、以下の表にまとめます。ただし運用ルール次第では他にも対応できる可能性は充分ありえるので、これがすべてではありません。
No.
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要件
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API対応内容
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1.
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タイムスタンプの付与
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・メタデータ操作 API
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2.
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データの訂正削除の防止(真正性)
※ 書類ごとに削除設定を付与するなど細かい設定が必要な場合 |
・リテンションポリシー API
・メタデータ操作 API
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3.
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・Boxにファイルを保存(社内規定)
・Boxに保存したファイルを適切なフォルダに振り分け(可視性)
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・ファイルリクエスト API
・フォルダ・ファイル操作 API
・Webhook API
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4.
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期限切れ書類の自動バックアップ&削除
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・フォルダ・ファイル操作 API
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5.
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スキャン文書と帳簿との相互関連性の保持(真正性)
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※ 外部システムと連携していることを前提とする場合
・メタデータ操作 API
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6.
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税務署長の承認(保存性)
※ 担当者へ提供(閲覧・ダウンロード)が対象 |
・フォルダ・ファイル操作 API
・共有リンク API
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カスタマイズ例
具体的にBox APIを活用する例を挙げます。
【例①】
文書管理サービスで管理しているドキュメントを、Boxに保存しつつ電帳法に対応したい場合、文書管理サービス ✕ Box API連携することで実現可能です。
下記の図では、ファイルは文書管理サービスで一元管理し、裏でAPIサーバーを通してBoxに自動でファイルをアップロードします。
Box上のファイルを閲覧する時は、APIサーバーがアップロード時に共有リンクを発行しておき、文書管理サービスに共有することで容易に実現可能です。
検索に使う場合は、アップロード時にメタデータを付与することで実現します。
【例②】
文書管理サービスは使わずにBoxに直接アップロードする場合、Boxのファイルリクエスト機能を利用してアップロード先フォルダを一元化することができます。
ファイルリクエスト機能ではファイル検索に必要な情報の入力、選択を必須として設定できるため、閲覧だけでなく検索も可能です。
※【例①】と【例②】を合わせて対応することで、運用ルール上、不整合が発生してしまう穴を塞ぐこともできます。
まとめ
本記事でカスタマイズ内容とカスタマイズ例をご紹介しましたが、Box APIを用いて既存システムとの連携や、専用アプリケーションを用意することで運用の自動化を幅広く行うことができるでしょう。
カスタマイズには専用の開発が必要なため、その分のコストがかかってしまいますが、例えばファイル名をルールに則り入力、入力されたファイル名がルール通りに入力されているかの確認、適切なフォルダへ自分でアップロードする…といった運用上発生する業務の手間を数十年間続けていくことを考えれば、カスタマイズする価値があるのではないでしょうか。
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