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生成AIで情報漏洩する「ファイルレス」な経路とは?企業が見落とすリスクと対策

 

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生成AIの業務活用が広がる一方、「どこから情報が漏れているかわからない」という声が情報システム担当者から増えています。
従来のファイル送信監視やUSBブロックだけでは対処しきれない経路が生まれているからです。
その中心にあるのが「コピー&ペースト」と「画面情報」――ファイルという形をとらない、見えにくい漏洩ルートです。

本記事では、AIエージェント・生成AI活用に特有のリスク構造と、端末レベルで実施できる対策の考え方を整理します。

 

目次

  1. 生成AI・AIエージェントが引き起こす「ファイルレス漏洩」とは
    1. 従来の対策が効かない理由・ファイル送信監視の限界
    2. コピー&ペーストと画面情報が新たな経路になる仕組み
  2. 実際に起きた情報流出事例
    1. NSW州政府のChatGPT大量アップロード事案
    2. 国内で広がる「無意識の持ち出し」
  3. AI活用を禁止せずにリスクを抑えるための3つのアプローチ
    1. 利用ルールの策定と従業員教育
    2. 承認済みAIツールへの集約と利用管理
    3. 重要データの保管場所を絞り込む
    4. それでも防ぎきれない部分を「仕組み」で補う
  4. 【まとめ】AI時代のセキュリティは「出口」ではなく「操作」で守る

 

1. 生成AI・AIエージェントが引き起こす「ファイルレス漏洩」とは

1.1 従来の対策が効かない理由・ファイル送信監視の限界

企業のセキュリティ対策は長らく「ファイルの持ち出しを検知・遮断する」ことを中心に設計されてきました。
USBメモリへのコピー禁止、メール添付の制限、クラウドストレージへのアップロード監視などがその代表例です。
しかし生成AIの普及により、この前提が崩れつつあります。

ChatGPTやClaude、Copilotといったツールは、ファイルをアップロードしなくても、テキストを貼り付けるだけで強力な処理が可能です。
社員が業務の効率化を目的として、顧客情報・社内メール・設計仕様書の一部をプロンプトに貼り付ける行為は、「ファイルを送った」わけではないため、既存の監視ツールでは検知が難しい状況があります。

 

1.2. コピー&ペーストと画面情報が新たな経路になる仕組み

ブラウザ上で動作する生成AIツールへの情報流入には、主に以下の経路があります。

  • クリップボード経由:テキストをコピーしてプロンプトに貼り付ける

  • 画面キャプチャ経由:スクリーンショットや画面共有機能でビジュアル情報をアップロードする

  • ファイル直接アップロード:PDF・Excelなどを添付する(これは従来の監視でも検知可能)

このうちクリップボードと画面情報は、「ファイル」という形をとらないため、既存の持ち出し制御の対象外になるケースがあります。
AIエージェントがOSのクリップボードや画面に自律的にアクセスできる仕組みが広がるにつれ、このリスクはさらに高まる可能性があります。 

 

2.実際に起きた情報流出事例

2.1. NSW州政府のChatGPT大量アップロード事案

オーストラリアのニューサウスウェールズ州政府では、職員が業務データをChatGPTにアップロードしていたことが明らかになり、2,031人分の個人情報が流出したとして大きな問題となりました。
【出典】Resilient Homes Program data breach | NSW Government
https://www.nsw.gov.au/departments-and-agencies/nsw-reconstruction-authority/resilient-homes-program-data-breach

意図的な情報漏洩ではなく、業務効率化の手段として自然発生的に広まった利用が、組織のセキュリティポリシーと衝突した事例です。
類似の状況は国内企業でも報告されており、生成AIツールへの「無意識の情報投入」は特定業種・特定規模の問題ではなくなっています。

 

2.2. 国内で広がる「無意識の持ち出し」

生成AIの業務利用に関する国内調査(LayerXレポート等)では、業務で生成AIを利用している従業員の77%がプロンプトへのコピー&ペーストを実施した経験があると回答しています。
【出典】Why The Browser Has Become the Enterprise’s Most Overlooked Endpoint - LayerX
https://layerxsecurity.com/blog/why-the-browser-has-become-the-enterprises-most-overlooked-endpoint/

注目すべき点は、その多くが「情報を漏洩させた」という意識を持っていないことです。
また、多くが企業の管理外である個人アカウントを使用しており、IT部門が利用実態を把握できないケースも少なくありません。
アカウント単位での統制だけでは、こうした「見えない利用」を抑えることは困難です。
 
こうした状況を整理すると、企業が直面する課題は主に3点に集約されます。

  • どのデータが生成AIに投入されたか、把握が困難

  • 誰がどのアカウントで利用しているか、統制が困難

  • コピー&ペースト・スクリーンショット・アップロードといった「ファイルレス経路」への既存対策の限界

 

3. AI活用を禁止せずにリスクを抑えるための3つのアプローチ

生成AIを業務から完全に排除することは、競争力の観点からも現実的ではありません。
重要なのは「禁止」ではなく「適切な制御」です。まずツールに頼らずに取り組める対策から始め、それでもカバーしきれない部分を仕組みで補うという順序で考えると、整理しやすくなります。

3.1. 利用ルールの策定と従業員教育

最初に取り組めるのは、ルールと教育による意識づけです。
どの情報を生成AIに入力してはならないか、社内で承認済みのツールはどれかを明文化し、定期的な研修と合わせて運用します。

特に「入力してよい情報・してはいけない情報」の基準を具体的に示すことが重要です。
抽象的な禁止事項では、社員は判断に迷い、結果として無意識の入力が増えてしまいます。
入力可否の判断フローをチェックリスト化するなど、現場が使いやすい形に落とし込むことで、ルールの実効性が高まります。

 

3.2. 承認済みAIツールへの集約と利用管理

個人アカウントでの利用が増えると、IT部門が利用実態を把握できなくなります。
社内承認済みのAIサービスを指定し、その範囲内で利用させる体制を整えることで、アカウント単位での管理が可能になります。
 
ただし、承認済みツールを整備しても「どのデータを入力したか」までは追跡しきれないケースが多く、アカウント統制だけでは不十分なことが多い点は念頭に置いておく必要があります。

 

3.3. 重要データの保管場所を絞り込む

機密性の高いファイルを特定のフォルダやサーバに集約し、アクセス権限を限定することで、そもそも生成AIに入力される機会を減らすことができます。
「どこに何があるかわからない」状態では、社員は無意識に手元のファイルをAIに貼り付けてしまいます。
重要データの所在を整理し、アクセスできる人・場所を絞るだけでも、漏洩リスクの起点を減らす効果があります。

 

3.4. それでも防ぎきれない部分を「仕組み」で補う

上記3つの対策を講じても、コピー&ペーストや画面キャプチャといった操作を人の意識だけで止めることには限界があります。
「やってはいけない」と知っていても、作業中の一瞬の判断ミスや、クリップボードに残ったデータが意図せず流出するリスクは残ります。
 
こうした「ルールで防ぎきれない部分」は、弊社の情報持ち出し制御ツール「Noncopy 2」のような、端末側での操作制御で補うのがベストです。
「Noncopy 2」は、保護フォルダ内のファイルに対するコピー・クリップボード操作・スクリーンショット・印刷・外部デバイスへの書き出しをOSレベルで制限可能なソフトウェアです。
指定フォルダ内のファイルの自動暗号化にも対応しており、社員が「うっかり貼り付けた」「気づかずキャプチャした」という状況そのものを仕組みとして防ぐことができます。

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教育やルールを入口に、操作制御の仕組みを出口として組み合わせることが、生成AI時代の現実的なリスク対策といえます。

NonCopy 2の詳細については下記をご参照ください。無料の評価版もご用意しております。

 

4. まとめ】AI時代のセキュリティは「出口」ではなく「操作」で守る

生成AIを禁止せずに安全に活用するためには、「ファイルを守る」発想から「操作を制御する」発想への転換が必要です。
クリップボード制御や保護フォルダといった端末側の仕組みを組み合わせることで、AI活用の利便性を損なわずにリスクを低減できます。
教育・ルール・仕組みの3つを組み合わせることが、現実的なリスク低減につながります。このうち「仕組み」の部分については、導入前に自社の運用フローとの相性を確認することをお勧めします。

保護領域ベースの対策(NonCopy 2を含む)は選択肢の一つにはなりますが、これだけで全てのリスクが解消するわけではありません。

技術的に制御しづらい経路や業務上の例外も存在するため、許可された利用ルートの整備、利用ルールの策定、教育、監査、例外管理といった運用で補完し、状況に応じて他の手段も併用することが重要です。

サイエンスパークではNonCopy 2以外にも、独自のドライバウェア技術を活用したサイバーセキュリティサービスをご用意しております。
詳しくはこちらをご覧ください。

 


 

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