現代のビジネス環境では、さまざまな業務プロセスが存在します。営業は販売プロセスを進めるための契約書を取り交わし、マーケティングはプレゼンテーション資料を用意し、研究開発はベンダー調査票を準備し、法務は企業ポリシーに関する書類を管理し、人事は新規採用者チェックリストを作成し、財務は財務計画書を用意します。これら社内外の関係者を巻き込んだ業務プロセスの多くは、まだ手作業で進められているのが現状です。
しかし、手作業での管理には多くの問題があります。時間と労力が大量に消費されるだけでなく、エラーが発生しやすい、プロセスの透明性が低い、その結果、全体の生産性が低下するといった問題が生じます。これらの問題を解決する一助となるのがBox Relayです。
目次
・Box Relayとは
・Box Relayの特長
・Box Relayが解決するユースケース
・ビジネスプロセスの自動化がもたらすメリット
・Box Relayの使い方
・まとめ
Box Relayとは?
Box Relayは、Box Businessエディション以上で利用可能なワークフロー自動化ツールです。ノーコードでワークフローを作成できるため、簡単に利用を始めることができます。さらに、ワークフローのトリガーや結果の設定などが可能で、幅広いプロセスに対応できます。ワークフローの進捗状況も確認できるため、可視化による管理性が大幅に向上します。
Box Relayの特長
簡易的なワークフロー作成
ドラッグ&ドロップ形式のインターフェースを使って、独自のワークフローを簡単に作成できます。
自動化
ワークフローのトリガーを設定したり、タスク完了時の設定などを自動化することで、時間と労力を節約し、生産性を向上させます。
タスク管理
ワークフローに関連するタスクを、関係者に自動的に割り当てることが可能です。
リアルタイムの進捗追跡
ワークフローの各ステージに対する進捗をリアルタイムで追跡し、状況をエクスポートすることが可能です。
期限とリマインダー
ワークフロー内の各タスクに対して期限を設定し、リマインダーを通じて作業の完了を促すことができます。
Box Relayが解決するユースケース
Box Relayが対応する多様なビジネスプロセスについて、その具体的なユースケースを以下に記載します。
レビューと承認
タスクの割り当てやファイルのやり取りを自動化できます。提案書、契約書、製品ドキュメント、請求書、作業手順書といった文書に対するレビューと承認プロセスを効率化できます。
オンボーディング/オフボーディング
新規にプロジェクトに参加するメンバーや外れるメンバーのためのフォルダ作成を自動化できます。顧客、ベンダー、従業員、協力会社、学生、プロジェクトといった異なるケースに対応するオンボーディング/オフボーディングプロセスをスムーズに行えます。
Box RelayのEnterpriseプランでは、これらの基本的なユースケースだけでなく、カスタムワークフローの作成も可能です。独自のビジネスプロセスに対応したワークフローを自由に作成できます。

ビジネスプロセスの自動化がもたらすメリット
Box Relayを使ったビジネスプロセスの自動化により、以下メリットが得られます。
業務時間の短縮
関連する業務の時間を約30%節約することができます。
生産性の向上
ユーザおよびIT部門の生産性を約20%改善することができます。
プロセスの標準化
ヒューマンエラーを35%削減することができます。
コンプライアンスの強化
ビジネスリスクを23%低減することができます。
Box Relayの使い方
Box Relayで行う、代表的な操作について解説します。今回は、作成したファイルを承認フローに回し、承認されたファイルを自動的に承認済みフォルダに移動する仕組みです。
1. ワークフローの作成
① Boxメニューの「Relay」を選択し、新しいワークフローを開始します。

② はじめに、トリガーとイベントを作成します。今回は「タスクイベント」を選択します。

③ タスクの種類は「承認タスク」、イベントの種類は「承認」を選択します。イベントが発生するフォルダは、承認前のファイルを保存するフォルダを選択します。ここでは、「承認依頼」を選択しました。

④ 続いて、発生したのイベントがどのようなアクションをとるか、結果を作成します。今回は、アクションは「タスクの割り当て」、タスクの種類は「承認タスク」を選択します。

⑤ 承認をしてほしい担当者を割り当てます。また、担当者に通知が来た時のメッセージを入力します。

⑥ ファイルにタスクを割り当てます。ここでは、「フローをトリガーしたファイル」を選択します。タスクが承認された場合は、次のフローに進み、拒否された場合は、フローは終了します。

⑦ 続いて、結果1でタスクが許可された場合のアクションを作成します。今回は、アクションは「ファイルアクション」、種類は「移動」を選択します。

⑧ 移動するファイルは「フローをトリガーしたファイル」、ファイルの移動先は「承認済」フォルダを選択します。これでワークフローの作成は以上です。右上の有効化をクリックします。

2. ワークフローの実行
① 「承認依頼」フォルダ内にある、承認依頼をするファイルを選択します。

② 「アクティビティ」から、「承認タスク」を追加します。

③ 承認依頼を受ける担当者と、メッセージを入力します。

④ 依頼された承認者に、承認タスクが割り当てられます。今回は、「承認」を選択します。

⑤ 承認されたファイルが、「承認済」フォルダに移動しました。

まとめ
ビジネスプロセスの効率化は、企業の生産性向上に直結します。Box Relayは、業務プロセスを効率的に自動化するためのツールです。手作業で行われていた作業を自動化し、効率や生産性を向上するだけでなく、プロセスの可視化やコンプライアンスの強化にも寄与し、企業のビジネスリスクを低減することができます。