近年、クラウドストレージとして広く活用されるようになった「Box」。
業務に必要な各種ファイルをオンライン上で一元管理できることから、多くの企業で導入されるようになってきています。
しかしながら、Boxの導入にあたっては運用中のファイルサーバーや「SharePoint」、「Google Drive」等、他のクラウドストレージからデータを移行する必要があり、アクセス権限の管理や移行期間のファイル更新差分管理など、悩ましい課題も多く存在していました。
そこで登場したのがBox公式のデータ移行ツール「Box Shuttle(ボックスシャトル)」です。
Box Shuttleを活用することで、以前よりも簡単・スムーズに既存のシステムからのデータ移行が可能になりました。
今回は、そんなBox Shuttleの概要や機能・メリットについてまとめましたので、ぜひご参考ください。
目次
1.Box Shuttleとは?
2.Box Shuttleの主な機能・できること
2-1.多くの移行元への対応
2-2.移行分析とシミュレーション
2-3.バックグラウンドでの移行と差分同期
2-4.複数ジョブによるデータ移行時間の短縮
2-5.アクセス権限の移行・管理
2-6.あらゆるファイル形式に対応
3.管理者にとってのメリット
4.Box Shuttleのセキュリティとより強固な対策
5.Box導入・移行のサポートについて
6.【おわりに】お問い合わせ・関連リンク
Box Shuttleとは?
Box Shuttleは、Boxの管理コンソールから利用可能なデータ移行ツールです。
最大10TBまでのデータ移行が無料という大きなコストメリットがあり、BoxのエディションがEnterprise Plusの場合には、20TBまでが無料となっています。
導入コストを削減しながら、既存のシステムからのデータ移行を簡単に行うことが可能です。
具体的な使い方については以下のページでご説明しておりますので、気になった方はぜひご覧くださいませ。
Box Shuttleの主な機能・できること
Box Shuttleの主要な機能・できることについてご紹介します。
多くの移行元への対応
Box Shuttleは、既存のオンラインストレージやクラウドサービスに対応しています。
オンプレミス・クラウド両者への接続が可能になっているため、既存のシステムからの移行が行いやすくなっています。
【対応サービスの例】
・オンプレミスのファイルサーバー
・Microsoft OneDrive
・SharePoint Online
・SharePoint Server
・Google Drive
・Dropbox
・AWS(Amazon Web Services )
・Azure
・GCP(Google Cloud Platform )
また、Box Shuttleはわかりやすいユーザーインターフェース(UI)であるため、ITに詳しくない方でも簡単にデータ移行を行うことが可能です。
さらに、オンプレミスのファイルサーバーから移行する場合はエージェントのインストールが必要ですが、クラウドストレージ(Googleドライブ、Microsoft OneDrive/SharePoint、Dropboxなど)から移行する場合は、エージェントのインストールは不要です。
操作が簡単である点は、導入や移行を検討する上で技術的なハードルを下げる大きなポイントとなっています。
移行分析とシミュレーション
Box Shuttleでは移行前にデータを分析し、シミュレーションを行うことができます。
データ転送時間の予測やボトルネックとなる点、フォルダやファイルの数量や、 ファイル毎の詳細把握が可能となっており、その結果から移行計画の改善策を見つけ出すこともできます。
シミュレーション後にはレポートを出力することができるため、データ移行のプロジェクトを、より詳細に計画することが可能です。
バックグラウンドでの移行と差分同期
Box Shuttleによるクラウド移行は、バックグラウンドで実行されます。
そのため、データの移行中でも通常の業務を阻害することなくクラウド化を進めることができます。
さらに、移行の最中にBox上もしくは元のアプリケーションでファイルの編集を行った場合でもBox Shuttleは差分を認識し、移行元で新規作成されたり、更新されたデータをBoxに移行・同期できます。
対象のコンテンツが既にBox上編集されていた場合は上書きされないため、バッティングすることもありません。
移行後にはサマリーレポートによって、ファイル単位で移行結果の詳細を確認することもできます。
複数ジョブによるデータ移行時間の短縮
一般的に、データ移行は全体のファイル容量が膨大になりがちなため、移行開始から完了まで長い時間を要するケースが多いです。
Box Shuttleでは、複数のユーザーで複数のジョブ(移行作業)を同時に実行することで、データ移行をより高速に行うことができます。
そのため、大量のデータ移行でも時間短縮が可能となり、業務効率の向上に貢献します。
アクセス権限の移行・管理
Box Shuttleでは、移行元のユーザーをBoxのユーザーにマッピングすることで、アクセス権限の移行も可能です。
また、権限移行をせずにデータの移行だけ行うことも可能となっているため、状況に応じて対応することができます。
あらゆるファイル形式に対応
Box Shuttleでは、移行可能なデータの種類に制限がありません。
テキストファイルから動画、音声ファイルまで、あらゆる種類のファイルをBoxに移行することができます。
専門的なデータや、一般的でない拡張子のファイルを扱う業種・企業であっても、安心して導入することが可能です。
管理者にとってのメリット
Box Shuttleを使用することで、管理者はIT部門にとって非常に手間のかかるデータ移行作業を自動化できるため、リソースを他の重要な業務に集中させることができます。
また、Box ShuttleはBoxの管理コンソールから直接アクセスでき、Boxの他の機能との連携もスムーズです。
データ移行に伴う作業・操作の負担を軽減しながらクラウド化できる点は、大きなメリットであると言えます。
Box Shuttleのセキュリティとより強固な対策
Box ShuttleはBox上で使用可能なツールであるため、Box本体の強固なセキュリティを踏襲しています。
そのため、データ移行の過程でもセキュリティが保たれ、機密情報の流出リスクを最小限に抑えることが可能です。
また、弊社サイエンスパークではBoxへの移行時、PC端末上に保存されるキャッシュデータの漏えいを防ぐセキュリティ製品「CFKeeper」を自社開発しております。
Boxをより安全に、セキュアな環境で利用したい方はぜひご検討ください。
Box導入・移行のサポートについて
Box Shuttleを活用することでデータの移行が比較的容易に行えますが、Boxでは専門家からのサポートも提供されています。
Box Shuttleの使用方法だけでなく、移行プロジェクトのプランニングや移行実施までをサポートしています。
また、弊社もBoxの代理店ですので、Boxの取り扱い及び導入支援サービスを提供しております。
ご相談だけでも大歓迎ですので、ぜひご参考ください。
【おわりに】お問い合わせ・関連リンク
データ移行は、クラウド化・DX化の波が押し寄せる現代のビジネス環境で、企業が避けて通れない課題となってきています。
Box Shuttleは、この課題に対する効率的な解決策です。
ご活用いただくことで、コスト・業務の負担を軽減しながら、スムーズなデータ移行を実現可能です。
最後になりますが、弊社サイエンスパーク株式会社は「Box」の代理店です。
Box認定資格を有した当社営業スタッフが最新の情報に基づき皆様の導入検討をお手伝いしております。