Boxではフォルダ構成に3つのパターンがあり、お客様の運用に合わせ、3つの内のどれかのパターンをカスタマイズしていきます。導入初期にフォルダ構成の選択を間違えてしまうと、お客様によって使いづらかったり、意図しない構成なってしまったりすることもあります。
この記事では、フォルダ構成のパターン(コンテンツ所有モデル)について、どんな種類があるのか解説していきます。
目次
コンテンツ所有モデル
Boxでは、導入時に「コンテンツ所有モデル」(フォルダ構成のパターン)を選びます。選び方のポイントとしては、“コンテンツ(フォルダやファイル)を誰が所有するのか”という観点で選んでいきます。
※Boxの所有者については、以下の記事で解説しています。
Boxのコンテンツ所有モデルは、以下の3つに分けることができます。
クローズ構成
Boxの管理者または共同管理者をコンテンツ所有者にする構成です。Boxに作成されたコンテンツは「会社の所有物」として扱い、管理者がアクセス権限を管理します。
従来のファイルサーバーのように、管理者がすべてのコンテンツのアクセス権限を管理するので、可視性・管理性が高いことが特長です。日本企業で一番多く採用されており、アクセス権限の管理や退職した社員のアカウント管理をしたい企業・組織に向いています。
オープン構成
各ユーザーがコンテンツ所有者になる構成です。コンテンツは「個人の所有物」として扱われます。
また、各ユーザーが自由に外部ユーザー(社外のユーザー)を招待できてしまうため、管理者がアクセス権限やコンテンツの管理ができません。
その代わり、ユーザーの責任でコンテンツを管理するため、Box管理者の負担が少ない特長があります。
セミオープン構成
クローズ構成とオープン構成を組み合わせた構成です。会社で管理したいコンテンツは「管理者」が所有者になり、それ以外のコンテンツは「ユーザー」が所有者になります。
また、ユーザーごとに「第一階層へのコンテンツ作成を限定」させたり、フォルダごとにコラボレータ招待の許可・禁止を制限したりすることで、ある程度、管理者側でコントロールすることができます。
※クローズ構成のように、完全にコンテンツのコントロールをすることは困難です。
各モデルの比較
各モデルの違いは、以下の通りです。
クローズ | オープン | セミオープン | |
---|---|---|---|
コンテンツ所有者 | 管理者および共同管理者(統制) | 全員(自由) | 管理者または特定のユーザー(制限) |
フォルダ構成やアクセス権限の設定 | 管理者が目的ごとにフォルダ作成し、必要なメンバーを招待する | ・テナント全体の設定は最低限のみ実施 ・コンテンツの管理は各ユーザーに任せる | ・会社で管理したいコンテンツは管理者が所有する ・管理者はユーザー毎に最低限に最低限の制限をかける |
メリット | ・管理者がコンテンツを管理するため、セキュリティリスクが最小 ・社員の退職時等に発生する管理負担が少ない | フォルダ作成・共有はユーザーが自由に行える(利便性が高い) | ・ポリシーに合わせた権限をユーザーへ付与できるため、オープン構成よりセキュリティリスクが減らせる ・ユーザー自身が所有しているフォルダでは、自由に招待や共有ができるので、利便性が高い |
デメリット | ・管理者はすべてのコンテンツを閲覧できてしまう ・導入初期の検討事項が多く、運用開始までの時間がかかる | ンテンツの散乱、セキュリティ事故を防止するためには、ユーザー教育関連の負担が大きい | ・コンテンツ散乱、セキュリティ事故防止のためのユーザー教育は必要 ・各ユーザーへ個別に権限を設定していくため、管理者の負担が大きい ・ユーザーが所有者になっているコンテンツは、コラボレータ招待は制限できるが、共有リンクの制限がかけられない |
まとめ
Boxのコンテンツ所有モデルについて、理解できましたでしょうか。適切にBoxを運用していくにあたり、違いを理解することで、お客様の運用に役立ちます。
引き続き、一緒にBoxについて勉強していきましょう。